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3Dスキャナーを現場で活用する3つの理由

3Dスキャナーを現場で活用する3つの理由

3Dとあまり関係のない人でも何回かは耳にしたことがあるであろう「3Dスキャン」という言葉。なんとなく「現物から3Dデータが作れるもの」というイメージをもっているけれど、どんなシーンで使われているのかがイメージできない。

なんとなく使えそうなイメージはあるけど、実際どうだかわからない。そんなモヤモヤをすっきり解消してもらうため、3Dスキャナーを利用する代表的なメリットをご紹介します。

※3Dスキャナーの基本について知りたい人はこちらの記事をまずご覧ください。

1 : 3Dデータ制作が短時間で行える

最大のメリットは3Dデータ制作の時間です。従来は3Dデータをで制作していました。手で制作する問題点は以下のようにまとめることができます。

手で制作する問題点

  • すべて手作業で行うため、制作に時間がかかる
  • 時間がかかる=高いコストが発生する
  • 特殊なスキルと経験が必要なため、制作できるようになるためには長いトレーニング期間が必要

 

人の3Dデータを制作する場合で見てみましょう。

高精細の非常に細かい人物の3Dデータを制作する場合、手作業で制作しようとすれば最低でも2週間、作り込もうと思うと1ヶ月以上の時間が必要です。

これが3Dスキャナーを使用すると、撮影自体は15分程度。最終的なデータの完成も4日から1週間と、手で作業する場合に比べて大幅に制作期間を短縮することができます

このスピードこそが3Dスキャナーを利用するメリットのひとつなのです。

 

スピードが短縮されることで出来る幅が広がる

スピードが早まることで製造プロセスが単純に早くなること以外にも、メリットは存在します。それが、スケジュールが厳しいジャンルの現場でも3DCGを導入することができるようになり、表現の幅が広がるというメリットです。

例えば映像制作の現場では、めまぐるしくスケジュールが変動し、短かい期間の中で制作をしなければならないことが多々あります。そんな時に数ヶ月もかけて人の3DCGを作っている余裕はありません。

こうした理由でなかなか使用しづらかったCGですが、3Dスキャンを活用することで制作期間を気にすることなくCGを使えるようになり、タイトなスケジュールのプロジェクトであっても幅の広い表現ができるようになったのです。

 

2 : より高精細な3Dデータが制作できる

手作業での制作にはどうしても限界が生じてしまいます。現物の質感をそっくりそのまま3Dデータとして再現するためには膨大な時間と手間、さらには特殊なスキルを必要とします。

つまり高精細な3Dデータの制作は非常に大変なプロジェクトのひとつとなってしまうのです。3Dスキャナーは現物から3Dデータを制作するためのツール。現物を限りなく高い再現性をもって3Dデータを制作していきます。

現物の質感、形状、あらゆる要素を正確に取得し、それをデータに置き換える3Dスキャナーは、従来の手作業では実現することができなかったレベルの3Dデータを制作することができるのです。

 

高精細な3Dデータが求められるシーン

3DCGを使用するとどうしても「薄い」表現になってしまうことがあります。容量の関係もありますが、どうしてもペラっとした印象を与えてしまうのが課題のひとつでありました。

こうした表現ではリアルさを求めるシーンでは活用が難しいのが現実。3Dスキャナーはリアルさが求められるシーンにおいて活用されています。

  • リアルな人を動かすCGを使用したCM制作
  • リアルさが売りのゲームに登場する人物の制作
  • 博物館や美術館などの展示品の3Dデータ制作

これらのシーンはいずれもリアルさが非常に求められます。従来の方法では伝えきれない部分を3Dスキャナーを利用することで補っているのです。

 

3 : 3D制作のコストを抑えられる

どこでも共通ではありますが、たくさんの人出がかかったり、長い時間がかかるプロジェクトには高い費用が発生します。熟練されたスキルを持つ人の手を数ヶ月にわたって借りる3DCG制作では、その費用が高くなってしまうのも当然考えられることです。

短時間で制作ができ、かつ高品質な3Dデータが制作できる3Dスキャナーを使用すれば、工期を短縮することができるため制作の費用を大きく抑えることができます。

高精細な人の3Dデータを制作する場合を見てみましょう

先ほどと同様に高精細な人の3Dデータを制作する場合で比較してみてみましょう。

手作業の場合

  • 制作期間:1ヶ月
  • 総制作時間:160時間
  • 時間あたり費用:4,000円
  • 総費用:640,000円

 

3Dスキャンの場合

  • 制作期間:1週間
  • 総制作時間:40時間
  • 時間あたり費用:4,000円
  • 総費用:160,000円

 

まとめると以下のようになります

  • 3Dスキャンを使用すると制作期間が4倍早くなる
  • 3Dスキャンを使用すると制作費用が4分の1になる

 

 

まとめ

3Dスキャンを使用するメリットを3つ、見ていきました。

  • 手作業よりも早く制作できる
  • 高精細な3Dデータが制作できる
  • 制作期間が4倍早くなり、制作費用は4分の1になる

 

これが3Dスキャンを利用する大きな理由となります。3Dスキャン導入に少し関心をもっていただけましたでしょうか??映像制作、3Dプリント、VRなどなど、今後あらゆる領域において3Dデータが必要になってくるはずです。

そうした時の選択肢のひとつとして3Dスキャナーを思い出していただけると幸いです。